Entertainment

 ある朝、窓から差し込むやわらかな光に包まれながら、ソファに腰かけてコーヒーを一口。ふとテレビをつけると、画面いっぱいに映し出されたのは、ころころと転がるように走り回る子犬たちの姿でした。まるで雲のかけらのようにふわふわで、小さな鼻をくすぐるような鳴き声。どこか遠い記憶の中のやさしい瞬間を思い出させてくれる…そんな魔法のような時間が、静かに始まったのです。 この「世界で最もかわいい子犬たちの30分」は、ただの映像ではありません。忙しない毎日の中で忘れてしまった「心がほどける感覚」をそっと届けてくれる、30分間の癒しの旅です。ベッドの上でぴょんぴょん跳ねるチワワ、母犬のあとをちょこちょこ追いかけるゴールデンレトリバーの赤ちゃん、雪の中を全力で駆けまわるシベリアンハスキーの子犬。どのシーンも、こちらの頬をゆるませ、自然と笑顔にさせてくれます。 子犬たちは言葉を話しません。でも、彼らの目の輝き、耳のぴくぴくした動き、じゃれあう仕草には、何よりも雄弁な「感情」があります。それは「好奇心」「安心感」「うれしさ」、そして何より「無条件の信頼」。人間が何もせずとも、ただそばにいるだけで伝わってくるそのあたたかさに、画面の向こうから心を抱きしめられるような気持ちになるのです。 「かわいい」という言葉だけでは足りないほどに、彼らの存在は特別です。例えば、初めておもちゃに触れる時のびっくりしたような表情や、初めて雪の上を歩くときのとまどい。どれもこれも、人生のすべてが「初めて」でできているからこそ、一瞬一瞬がきらめいて見えるのかもしれません。 この30分の映像の中には、様々な犬種の子犬たちが登場します。ぷっくりとしたブルドッグ、耳の大きなパピヨン、もこもこのサモエド…。それぞれに個性があり、表情も性格も違うけれど、どの子にも共通しているのは「愛されることを疑っていない」その姿勢です。 そして、観る人の心に静かに語りかけてくるのです。 「大丈夫。世界はまだ、こんなに優しいんだよ」と。 動画の終わりに近づく頃、気づけば部屋にはやわらかい空気が流れ、心の中にはふんわりとしたやすらぎが広がっています。たった30分で、こんなにも心が軽くなるなんて、ちょっと不思議な体験。けれどそれが、子犬たちの持つ「無垢な力」なのだと感じずにはいられません。 人生がちょっとつらい日にも、理...

ある日曜日の朝、いつもより少しだけ早く目が覚めた私の耳に飛び込んできたのは、妙な騒がしさだった。 「ワン！」 「ピーピー！」 「ワワン！」 「ピィーー！」 最初は外から聞こえる鳥の声だと思ったが、よくよく耳を澄ますと、それは我が家の居間から発せられているではないか。 慌ててスリッパを履き、階段を降りていくと、そこに広がっていたのは予想外の光景だった。 ハスキーとインコの口論現場 犯人は、我が家の自由奔放なシベリアン・ハスキー「フブキ」と、ちょっとおしゃべりなセキセイインコ「ピピ」。 二匹（？）は、リビングの中央でまるで漫才でも始めるかのように、互いに声を張り上げていたのだ。 「ワンッ！」と吠えるフブキ。 それにかぶせるように「ワンッ、ワンッ！」とモノマネするピピ。 フブキは明らかにムッとしながら、「それ、僕の鳴き方なんだけど！」とでも言いたげな顔。 そしてまた「ウォォン！」と吠える。 すると、今度はピピが「ウウォォ～ン」と、変なビブラート付きで返してくるではないか。 本気の怒りか、それとも遊び？ 一見するとけんかしているようにも見えるこのふたり。 でもその目はどこかキラキラしていて、どちらかというと「遊んでる」ようにしか見えない。 特にフブキのしっぽがブンブンと左右に揺れているところを見ると、これは完全に楽しんでいる証拠だ。 ピピもまた、ゲージの中からわざと大きな声を出してフブキの注意を引き、得意げに「バカワン！」なんて言葉まで発していた。（…誰が教えたんだ、それ） この奇妙な友情のはじまり 実は、フブキとピピが一緒に暮らし始めたのは、ほんの数ヶ月前のこと。 最初はお互いに警戒して、フブキは近づこうとせず、ピピはじっと様子を見るだけだった。 でもある日、フブキが寝そべってうたた寝をしていたとき、ピピがそっと近づいて「オハヨ」とつぶやいた。 その瞬間、フブキが目を開けて優しく尻尾をふったのを見て、私は「この子たちは絶対に仲良くなれる」と確信した。 それからというもの、ふたりはまるで兄弟のように毎日言い争いを続けている。 しかしその中には、信頼と親しみ、そして“家族”という絆が確かに存在している。 見ているこちらまで笑顔に 人間社会では「意見の食い違い」はしばしば衝突を生むけれど、フブキとピピのように、言い合いなが...

  ある冬の朝、私は人生で初めて“静かではない朝”を経験しました。 それは、彼──銀色の毛並みに青い目を持った一匹のシベリアン・ハスキーが、私の布団の上で遠吠えしながら踊り狂っていたからです。 名前は「ユキ」。 彼の名前は冬の精霊のような外見から付けたのですが、数日後には「嵐」にしておけばよかったと後悔しました。 なぜなら、彼はまさに、日常に嵐を巻き起こす天才だったのです。 ハスキーという犬、静寂を知らぬ存在 ハスキー犬の面白さは、そのビジュアルと中身のギャップにあります。 外見だけ見れば、まるでオオカミのような威厳に満ちた存在。でも、実際は…おしゃべりで、おバカで、全力で甘えん坊。 ユキも例外ではありません。 たとえば、私が朝食を作っていると、突然キッチンの床に仰向けになってジタバタと足を振りながら、何かを訴えてきます。 「ベーコンの匂いに耐えられません！」というようなドラマチックな演技で。 しかも、彼は言葉を話さないくせに、文句だけはしっかりと伝わるのです。 ご飯が遅れれば「ウォーン……」と低く長いため息。 散歩をサボれば、わざと靴を隠すという高度な戦術に出てきます。 いたずらとユーモアの天才 ある日、ユキが静かにしていると思ってふと部屋をのぞくと、クッションが粉雪のように舞っていました。 そのど真ん中で彼は、満足そうにお腹を出して寝ていたのです。 怒るよりも先に笑ってしまうのが、ハスキーという犬の魔力。 彼らのいたずらは、どこかユーモラスで、子どものような無邪気さがにじみ出ていて憎めない。 まるで毎日がコメディ番組の収録現場です。 だけど、やっぱり愛おしい いたずらばかりの彼だけど、ふとした瞬間に見せる優しさには胸を打たれます。 落ち込んでソファでうずくまっていると、そっと寄り添い、頭を私の膝に乗せてくれる。 そのときの彼の目は、まるで「わかってるよ、大丈夫だよ」と語っているようでした。 一緒に雪道を駆けた日、雨のなかでびしょ濡れになった日、夜の散歩中に星を見上げた日。 ユキとの日々は、ただのペットとの時間ではなく、心の奥に残る物語そのものです。 ハスキーが教えてくれたこと もし今、あなたが「おとなしくて静かな犬が欲しい」と思っているなら、ハスキーは間違いなく向いていません。 だけど、「人生に笑いと冒険を増やしたい」と思う...

まだ朝露の残るグラウンドに、2匹の犬が並んで立っていた。 ひとりは銀色の毛並みを太陽に光らせ、力強い足取りでステップを踏むハスキー。 もうひとりは、鋭い瞳で前を見据えるボーダーコリー。しっぽを軽く揺らしながらも、静かな集中が全身にみなぎっていた。 今日は年に一度のアジリティ大会。飼い主たちが愛犬と心を通わせながら、障害物を超えてゴールを目指す競技だ。 でも、観客たちが楽しみにしているのは、ある意味でこの2匹の“対決”だった。 ハスキーの「ユキ」は、まるでオオカミのような美しさと、雪原を走り抜けるような力強さを持っている。 彼女は風をまとうような走りで、直線のスピードでは右に出る犬がいない。 一方で、ボーダーコリーの「レオ」は、まるで心が読めるかのように飼い主の指示を先読みし、身体をしなやかに折りたたみながら障害を抜けていく。 俊敏さと知性が溶け合ったような動きに、多くの飼い主が「うちの子もこんなふうにできたら…」と羨望を込める。 それぞれの「得意」と「らしさ」 アジリティのコースには、ジャンプ、トンネル、シーソー、スラローム…。多様な障害が並んでいる。 ハスキーのユキは、最初のジャンプを勢いよく越え、トンネルも駆け抜ける。しかし、スラロームの細かい動きになると少し苦戦。 「これ、必要？」とでも言いたげな顔で、一瞬立ち止まって飼い主を見上げた。 ボーダーコリーのレオはというと、スラロームではまるで水の流れのように滑らかにジグザグを駆け抜けた。 でも、彼の本当の見どころは、飼い主の声を聞いた瞬間に全身が反応し、まるで糸でつながっているように動くその連携力だった。 ユキにはユキの強みがあり、レオにはレオの美しさがある。 スピード vs 繊細さ。 パワー vs 知性。 けれど、どちらにも共通していたのは「飼い主を信じて走る」という一途な思いだった。 勝敗よりも大切なこと 競技が終わり、2匹は芝の上でじゃれ合っていた。まるでライバルというより、共に戦った戦友のように。 飼い主たちは、順位よりも、愛犬が今日どれだけ自分と心を通わせてくれたか、そのことに胸を打たれていた。 ハスキーはときに自由奔放で、思いもよらない動きをする。 でも、それがまた「生きている喜び」にあふれていて、見ているだけで元気になる。 ボーダーコリーは、まるで人の...

朝霧のたちこめる牧場の片隅で、まだ太陽も顔を出さないうちに、一匹の犬が目を輝かせて待っていた。彼の名前は「ソラ」。ボーダーコリーらしい白黒の毛並みに、まるで考えているかのような真剣な眼差し。羊の気配を感じ取ると、何の指示もなく動き出す。主の合図よりも早く、まるで心が通じているかのように、群れを静かに、しかし確実に追い込んでいく。 ボーダーコリーが「世界で最も賢い犬」と呼ばれる理由は、この光景を見ればすぐに納得がいく。彼らは人の言葉以上に“意図”を読み取り、指示だけではなく状況全体を把握して動く。まるで共演者のように、農夫の一日を支えているのだ。 けれど、彼らの魅力は「賢さ」だけではない。 ソラが牧場の仕事を終えると、まるで別の犬になったかのように庭を駆けまわる。ホースの水にジャンプして突っ込み、帽子をくわえて逃げるおちゃめな顔。ふと目が合うと、まるで「次は何をする？」とでも言いたげにしっぽをフリフリ。疲れた大人も、泣いていた子どもも、彼のいたずらに思わず笑顔になる。 ボーダーコリーの「面白さ」は、まるで人間のように感情豊かで、場の空気を読む力があるところだ。喜び、退屈、いたずら心——それぞれの感情を全身で表現する彼らの姿は、ただの“ペット”ではなく、もはや“友達”のような存在。 そして何より、彼らは“人と関わること”が何よりの喜びだ。作業の合間に肩をちょんとたたいてくる。ボールをくわえて何度でも持ってくる。「今、この時間を一緒に楽しみたい」——そんな気持ちが全身からあふれている。 ボーダーコリーと暮らすということは、毎日がちょっとした冒険になるということ。朝の散歩ひとつでも、彼らと一緒なら森の中を探検しているような気分になる。夕方の公園では、まるでダンサーのように軽やかにフリスビーをキャッチし、子どもたちの歓声を引き出す。 知性とユーモアを併せ持ったこの犬は、人の生活にただ寄り添うのではなく、日々を彩り、笑顔を増やしてくれる存在なのだ。 今、あなたの隣に静かに寄り添う犬がいるなら、ほんの少し目を見てみてほしい。その目に「考えている光」があるなら、もしかしたら彼もまた、世界で最も賢くて、最も面白いパートナーかもしれない。

朝日が山の端から顔を出すころ、牧場の空気にはまだ少し夜の冷たさが残っていた。草原に薄く霧が立ち込め、遠くの木々が幻想的にぼやけて見える。 そんな中、私が一番好きな光景がやってくる。 小屋の扉が静かに開き、「ララ」と「ビル」が静かに姿を現す。2匹のボーダーコリー。まるで舞台の幕が開いた瞬間のように、彼らは風を切って走り出す。今日もまた、羊たちを群れにする時間だ。 ◆ ララとビル、正反対の性格 ララは穏やかで慎重。動きは静かで無駄がなく、視線ひとつで羊を導く名手。まるで草の上を滑るように動くその姿は、美しくて見とれてしまうほど。 ビルはというと、少しやんちゃで感情豊か。嬉しいと飛び跳ね、失敗すると耳をペタンと下げて反省する。けれど、その柔らかい愛嬌と直感的な判断力は、ララとはまた違う魅力を放っている。 そんな異なる2匹がコンビを組むと、不思議とバランスが取れていて、驚くほど見事に羊を導くのだ。 ◆ 言葉はいらない。心で通じ合う仕事 ララとビルが走ると、羊たちがスッと動く。まるで風が流れて、草が一斉になびくかのような自然さで。彼らは吠えることもあれば、黙って目線だけで指示を出すこともある。 そのやりとりは、まるで“会話”だ。 「左から回って。」「今はまだ待って。」 ララの静かな判断に、ビルは素直に応える。時に先走るビルを、ララが軽く前に出て抑えたり。まるで長年連れ添ったパートナーのように、言葉を使わずに意思を伝え合っている。 彼らの動きは、見ていて飽きることがない。機械のように正確でありながら、生きた感情が溢れているからだ。 ◆ 羊たちも知っている 不思議なことに、羊たちもこの2匹のことをよく分かっているようだ。ビルが近づくと少し身構えるけれど、ララが近くにいると、すっと落ち着きを取り戻す。彼らの間には、見えないけれど確かな“信頼”が流れているのだろう。 怖がらせず、でもはっきりと指示を出す。そうして、1頭1頭の羊を大切にしながら、全体を美しくまとめていく。 ララとビルに導かれ、羊たちが同じ方向へと歩いていく光景には、命と命が調和する不思議な力がある。 ◆ 技術ではなく「愛」で働く ボーダーコリーは世界一賢い犬とも言われる。でも、ララとビルの動きは“賢い”だけでは語りきれない。 彼らは「仕事」をしているというより、「使命」を感じて動...

朝露がまだ芝生の上に残る静かな農場。その日、私は何気なく見ていた庭の向こうに、小さな騒動が起こっているのを見つけました。軽快に尻尾を振る一匹の犬。そして、その前をバタバタと走る一羽のアヒル。 いったい何が起きているのだろう？微笑ましさと少しの驚きが混ざったその光景に、私はしばらく目を奪われてしまいました。 犬がアヒルを追いかける――それだけ聞くと、ちょっとした追いかけっこやいたずらに見えるかもしれません。でも、そこにはもっと深いストーリーがありました。  出会いは偶然、それとも運命？ その犬の名前は「ソラ」。元は迷い犬で、この農場にやってきたのは去年の夏。人懐っこい性格で、すぐに農場の家族の一員となりました。そして、アヒルの「ポン」は、まだひよこの頃に市場からやってきた子。ふわふわした黄色い体で、どこかいつも寂しげな目をしていました。 最初はお互いに距離を置いていたソラとポン。けれどある日、小さな転機が訪れます。嵐の晩、アヒル小屋の扉が風で開き、ポンが外に出てしまったのです。ずぶ濡れで震えるポンを見つけたのは、ソラでした。翌朝、ポンはソラの体に身を寄せて眠っていました。 それからというもの、2匹はまるで兄妹のように過ごすようになります。 追いかけるのは「遊び」？それとも「絆」？ さて、話は冒頭の場面に戻ります。芝生の上を軽快に走るソラ。そしてその前をバタバタと逃げるポン。けれどよく見ると、ポンもどこか楽しげな様子。時折くるっと振り向いて、ソラに「ほら、こっちだよ」と言っているかのようです。 これは決して“狩り”ではありません。これは“遊び”。ソラは決して本気で追いつこうとはせず、一定の距離を保ちながら、ポンの後ろを走っているのです。ポンもそれを分かっているかのように、安心した様子で飛び跳ねています。 こうした姿を見るたびに、私は「動物の間にも友情や信頼があるんだな」と感じるのです。  見えてくる、命の温かさ 人間が忘れかけている優しさ、絆、そしてシンプルな遊びの楽しさ。それを無言で教えてくれるのが、こうした動物たちの姿なのかもしれません。 ソラがポンを追いかけるのは、毎朝の日課となり、いつの間にか農場の風物詩のようになっています。見ているだけで心がほぐれていく。日々の喧騒の中で、こんな風景があることに、私は深い安らぎを感じるのです。 アヒルを追う犬...

ある日、疲れた夜にYouTubeをなんとなく開いた。 おすすめに出てきた一本の動画、タイトルは「面白いピットブルコンピレーション NEW」。 「ピットブル…？ちょっと怖そう…」なんて先入観が頭をよぎったけれど、指先は自然と再生ボタンを押していた。 そして、その数分後。 わたしは涙が出るほど笑っていた。 ピットブルは「こわもてだけど中身は赤ちゃん」 画面の中にいたのは、思っていた“強面の犬”とはまるで違う存在だった。 ソファに埋もれた巨大な顔。風船が割れて腰を抜かす姿。小さなチワワにベッドを取られて途方に暮れる背中。 なにこれ、ピットブルってこんなに表情豊かで、ユーモラスだったの？ その瞬間、私の中の「ピットブル＝こわい犬」というイメージは崩れ去った。 代わりに残ったのは、「この子たち、愛おしすぎるんだけど…！」という想いだけ。 面白いだけじゃない、そこには家族のストーリーがある 動画に映るひとつひとつの瞬間には、どこか家庭の匂いがした。 人間の赤ちゃんとじゃれあう姿、仕事帰りの飼い主を全力で歓迎する飛びつき方、 冷蔵庫の前で「なんかちょうだい」って言ってるあの瞳。 それらはすべて、ピットブルが「守る側」ではなく、「愛される存在」として生きている証だった。 見ていて笑える。でも、その笑いの奥に、飼い主たちとピットブルの深い絆が垣間見えて、 何だか心がじんわりと温かくなる。 笑いの中に、たくさんの「誤解を解くヒント」がある ピットブルという犬種は、世界中で誤解されてきた。 攻撃的、危険、訓練が難しい…。 でも本当の彼らは、とても従順で、人間が大好きで、甘えん坊な性格をしている。 もちろん個体差はあるけれど、問題は犬種ではなく、環境と接し方。 だからこそ、こうした「面白いコンピレーション動画」には、大切な意味がある。 笑いを通して、ピットブルたちの無邪気な一面を知ってもらえる。 そしてその笑いが、少しずつ“偏見の氷”を溶かしてくれる気がするのだ。 NEWな日常は、どこか懐かしい優しさでできている この「NEW」シリーズには、最新のシーンがたくさん詰まっている。 でも、そのどれもがどこか懐かしく、家族の中に流れる穏やかな時間を感じさせてくれる。 子どもと一緒に公園を走るピットブル。日向ぼっこしながらうとうとする顔...

あの日、仕事帰りの疲れた身体で何気なく立ち寄ったペットショップで、ぼくは彼に出会った。   丸い目、ぺたんこの鼻、ぶ厚い身体に、くしゃっとした顔。正直、第一印象は「ちょっと変わった顔してるな」だった。   でもその視線には、何か特別なものがあった。   まるで、「君を待ってたんだよ」と言っているように、じっとこちらを見つめていた。 家に連れて帰ると、彼はしばらくキャリーの隅で丸くなって動かなかった。   だけど、その夜、寝室のドアをそっと開けた時には、いつの間にかベッドのふちで小さくいびきをかいていた。   はじめて聞くそのいびきが、どうしようもなく愛しくて。   それが「フレンチブルドッグと暮らす」という日々の、本当に小さなはじまりだった。 フレンチブルドッグとの暮らしは、まるで“静かな喜劇” 「フレンチブルドッグって、どんな性格なの？」と聞かれるたびに、ぼくはこう答えるようになった。 「ちょっと頑固で、すごくおちゃめで、やたらと甘えん坊。」 朝、目が覚めると、彼の大きな頭がぼくの腕に乗っている。   起こすのがもったいないような寝顔。だけど、ごはんの音がすると一瞬で目を覚まし、顔をパッとあげてくる。   ごはんを食べるときの集中力といったら、世界中の誰より真剣だ。   音を立てずにお菓子を食べようとしても無駄。彼は100メートル先でも察知して、すぐさま足元に現れる。 そして何より、感情がとってもわかりやすい。   お風呂が嫌な時は、ソファの下に頭だけ隠して「見えてないつもり」。   でも褒められると、尻尾がない代わりに全身で喜びを表現してくれる。体ごとぶるんぶるんと揺れて、まるでぬいぐるみのよう。  “手がかかる”って、つまり“愛が深まる”ってこと フレンチブルドッグは、正直手がかかる犬種だ。   暑さに弱いから夏場はエアコンが必須。   皮膚がデリケートで、定期的なケアが欠かせない。   鼻が短い分、呼吸も浅くて、ちょっとしたことで疲れてしまう。 だけどね、その「手がかかる」...

朝のキッチンに、コーヒーの香りと、なぜか小さなため息が漂う。 「…行かないってば。」   私はトーストを焼きながら、背後からじっと視線を送ってくる彼に声をかける。   すると、「ふんっ」と鼻を鳴らし、フローリングの上におしりをペタン。まるで“座り込み抗議”のように動かない。そう、彼の名は **モグ**。   4歳のフレンチブルドッグ。私の家族であり、小さな議論相手である。  議題1：「散歩は“今すぐ”じゃなきゃイヤ！」 モグは“今この瞬間”に全てを注ぎ込むタイプだ。   だから散歩に行きたい時は「今すぐに！このドアを開けて！」と全身で訴える。   私が「あと10分ね」と言おうものなら、目を細め、舌をぺろりと出し、まるで“それは合意事項ではありません”と返してくるような顔。   そして、そのあとの行動が面白い。玄関マットの上で、前足を交差させ、顔をそむけ…わざとらしく不貞腐れる。   「どうせ僕の意見なんか…」とでも言いたげに。  議題2：「そのおやつ、1個で終わりってホント？」 冷蔵庫の扉を開けた瞬間、どこからともなく現れる彼。   顔をくいっと傾け、「その白い袋の中身、ボクが知ってるやつだよね？」と無言で語ってくる。   一口あげると、満足げに尻尾（というよりおしり全体）をプリプリ振るけれど、5秒後にはまた“じっ…”とこっちを凝視。   「もう終わりだよ」と言うと、前足で軽く床をカリカリ…。   「議論の余地はあるのでは？」という態度がなんとも滑稽で、可愛くて、だけどちょっぴりずるい。  議題3：「お風呂？それって強制労働では？」 モグが最も激しく主張するテーマ、それはお風呂。   彼は水があまり好きではない。   「お風呂入ろうか？」の言葉を聞くと、ピタリと動きを止め、5秒ほど“気づかなかったフリ”をした後、そーっと後ろへ下がっていく。   それでも連れて行こうとすると、「ぐるるる…」と小声で抗議。まるで「弁護士を呼んでください」と言いたいかのような顔をする...

ある日、雨上がりの公園で出会ったフレンチブルドッグ。ちょこんと座って、鼻をクンクン鳴らしながらこちらをじっと見上げるその姿に、私は完全に心を奪われてしまいました。あの愛嬌たっぷりの顔、丸っこい体、ぶるんぶるん揺れるおしり…。そして気づけば、私はペットショップで「この子を家族にします」と、震える声で言っていたのです。 フレンチブルドッグと暮らすことは、想像以上に愛おしく、そして…ちょっぴり予想外の連続でした。 誰も教えてくれなかった “いびきの交響曲” 「ワンちゃんって寝てると静かでかわいいよね」と言った友人に、私は静かに笑いながら首を振りました。フレンチブルドッグの睡眠は…まさにBGM付き。いや、BGMどころか深夜の“いびきライブ”です。   短頭種であるフレブルは鼻腔が狭く、どうしても呼吸音やいびきをかきやすい体の構造をしています。最初のうちはびっくりして寝付けなかった私も、今ではそのリズムに合わせて自分の呼吸を整える始末。 暑さが苦手」は想像の10倍 真夏に外で散歩をしようものなら、数分で息が荒くなり、へたり込む…それがフレブル。暑さに非常に弱いため、夏場はエアコンが欠かせません。   「犬だから外が好きでしょ？」という常識は、この犬種には通用しません。むしろ「今日は家でクーラー効かせて、ひんやりマットの上で寝ていたいワン」と言わんばかりの顔で見つめてきます。   可愛いけれど、電気代との闘いが始まる覚悟も必要です。 愛情が重すぎるくらいの「ベッタリさん」 フレンチブルドッグは、ただのペットではありません。彼らは「家族」というより「影」…どこへ行ってもついてきます。トイレにも、キッチンにも、お風呂場の前まで…。   一人になりたいときでさえ、その丸い瞳で「え？ どこ行くの？」と聞いてくるその視線に、勝てる人はいないでしょう。   その甘えん坊な性格に癒される反面、「一人時間ゼロ」の日々も覚悟しておくべきなのです。  医療費と“プチパニック”の現実 愛嬌のある体型の裏には、実は健康面での注意点もたくさんあります。皮膚が敏感でアレルギー体質の子も多く、呼吸器系のトラブルも日常茶飯事。   「今日はくしゃみが多いな」と思っていたら、翌日には...