フレンチブルドッグを迎える前に知っておきたかった、小さな“真実”たち

ある日、雨上がりの公園で出会ったフレンチブルドッグ。ちょこんと座って、鼻をクンクン鳴らしながらこちらをじっと見上げるその姿に、私は完全に心を奪われてしまいました。あの愛嬌たっぷりの顔、丸っこい体、ぶるんぶるん揺れるおしり…。そして気づけば、私はペットショップで「この子を家族にします」と、震える声で言っていたのです。

フレンチブルドッグと暮らすことは、想像以上に愛おしく、そして…ちょっぴり予想外の連続でした。

誰も教えてくれなかった “いびきの交響曲”

「ワンちゃんって寝てると静かでかわいいよね」と言った友人に、私は静かに笑いながら首を振りました。フレンチブルドッグの睡眠は…まさにBGM付き。いや、BGMどころか深夜の“いびきライブ”です。  

短頭種であるフレブルは鼻腔が狭く、どうしても呼吸音やいびきをかきやすい体の構造をしています。最初のうちはびっくりして寝付けなかった私も、今ではそのリズムに合わせて自分の呼吸を整える始末。

暑さが苦手」は想像の10倍

真夏に外で散歩をしようものなら、数分で息が荒くなり、へたり込む…それがフレブル。暑さに非常に弱いため、夏場はエアコンが欠かせません。  

「犬だから外が好きでしょ？」という常識は、この犬種には通用しません。むしろ「今日は家でクーラー効かせて、ひんやりマットの上で寝ていたいワン」と言わんばかりの顔で見つめてきます。  

可愛いけれど、電気代との闘いが始まる覚悟も必要です。

愛情が重すぎるくらいの「ベッタリさん」

フレンチブルドッグは、ただのペットではありません。彼らは「家族」というより「影」…どこへ行ってもついてきます。トイレにも、キッチンにも、お風呂場の前まで…。  

一人になりたいときでさえ、その丸い瞳で「え？ どこ行くの？」と聞いてくるその視線に、勝てる人はいないでしょう。  

その甘えん坊な性格に癒される反面、「一人時間ゼロ」の日々も覚悟しておくべきなのです。

 医療費と“プチパニック”の現実

愛嬌のある体型の裏には、実は健康面での注意点もたくさんあります。皮膚が敏感でアレルギー体質の子も多く、呼吸器系のトラブルも日常茶飯事。  

「今日はくしゃみが多いな」と思っていたら、翌日には病院へ…。  

決して病弱なわけではありませんが、「すぐ相談できるかかりつけ獣医」がいると、飼い主の不安もぐっと減ります。

それでも、フレンチブルドッグと生きる幸せ

こんなに手のかかる犬種なのに、なぜ私は毎日彼に笑ってしまうのだろう。  

朝起きてベッドの足元を見ると、丸くなっている小さな塊。散歩中、見知らぬ人が笑顔で声をかけてくれる。「かわいいね」「なんて癒される顔」。  

そう、フレブルはただの犬ではなく、“笑顔の連鎖”を生み出す存在。

世話が焼ける。いびきがすごい。暑さに弱くて医療費も心配。  

…それでも、この子と暮らす日々は、何物にも代えられない。

フレンチブルドッグを迎える前に知っておきたかったこと。  

それは「完璧じゃないからこそ、こんなにも愛おしい存在になる」ということでした。  

もし、あなたがこれからフレブルを家族に迎えようとしているのなら、私は心からこう伝えたい。  

**覚悟も、覚愛も、いっしょに準備しておいてね。**