ラグドールの子猫が初めてのお風呂に入って、とても可愛くて美しい毛並みです


ふわふわの一歩:ラグドールの子猫と、はじめてのお風呂

朝の陽ざしが窓辺に差し込み、部屋の中をやわらかな金色で包んでいた。カーテンの隙間から差し込む光にじゃれついているのは、生後3ヶ月のラグドールの子猫「リリィ」。真っ青な瞳に反射する陽光が、まるで宝石のようにきらめいている。

リリィはまだこの世界が新しく、見るものすべてが冒険の対象だ。観葉植物の葉先にそっと触れてみたり、ソファの端に隠された小さな埃を追いかけてみたり。けれど、今日は彼女にとってもっと大きな“冒険”が待っていた。そう、それは人生で初めての——お風呂。

小さな身体で元気いっぱいに遊んでいるうちに、彼女の美しいクリーム色の毛は、いつのまにかほこりや毛玉で少しくたびれてきていた。そこで、思い切ってお風呂デビューをさせることにしたのだ。

「リリィ、今日はキレイキレイしようね。」

そう声をかけると、彼女は首をかしげてこちらを見つめ、次の瞬間には足元をくるくると回りはじめた。おそらく、何か嬉しいことが起こると感じたのだろう。しかし、お風呂の気配を察したのか、バスルームに近づくにつれて少しずつ足取りが慎重になる。

お湯は手のひらで確かめたぬるま湯。優しくて、リリィがびっくりしないように、お腹の下からそっと足を濡らしていく。はじめはピクンと身体をこわばらせたけれど、すぐに目を細めて、抵抗せずに身を預けてくれた。

泡立てたシャンプーを毛の根元に馴染ませると、リリィの毛はまるで雲のようにふわりと広がって、手のひらの中に柔らかく包まれるような感触が広がる。小さな背中をゆっくり撫でながら、「かわいいね、いい子だね」とささやくと、彼女は小さな声で「にゃあ」と応えた。

すすぎの時間もまた、優しくゆっくり。シャワーの細かな水滴が彼女の毛をなでるたび、透き通るような毛並みがきらきらと光を反射して、まるで天使の羽のようだった。

そして、お風呂が終わったあとのご褒美タイム。タオルに包んでぎゅっと抱きしめると、リリィはくすぐったそうに身をくねらせながらも、満足そうに目を閉じていた。ドライヤーの時間は少し苦手だったけれど、それもやさしい風に変えたら、膝の上でおとなしくしてくれた。

乾かし終えたリリィの毛並みは、まるでビロードのよう。指をすべらせると、なめらかで、しっとりとした感触が手に残る。クリーム色の地に淡く浮かぶグレーの模様がよりくっきりと映え、まるでぬいぐるみのような美しさだった。

お風呂上がりのリリィは、どこか誇らしげにしっぽを立てて、家の中をパトロールするかのように歩き回った。まるで「どう?きれいになったでしょ?」とでも言うように。

その晩、私はふわふわになったリリィを腕に抱いてソファに座った。彼女はすぐに喉を鳴らし、目をとろんと閉じて眠りの世界へ。

この日、私たちは「はじめて」をひとつ乗り越えた。小さな勇気と信頼で結ばれた、お風呂という名の冒険。そしてその先には、今まで以上に深まった絆と、変わらぬ愛らしさが待っていた。

リリィの毛並みはもちろん美しくなったけれど、それ以上に、彼女の中にほんの少しだけ「成長」の輝きが宿ったように感じた。
やさしい泡とぬくもりのなかで、ラグドールの子猫は確かに大人の一歩を踏み出したのだった。


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