面白くて愛らしい巨大なハスキーの子犬
面白くて愛らしい巨大なハスキーの子犬:わが家の陽だまり
初めて彼と出会ったのは、まだ春の風が少し冷たかった日曜日の午後。ペットショップの一角で、他の子犬たちと一緒にいるはずの彼は、まるで自分の体のサイズをわかっていないような仕草で、狭いケージの中をぎこちなく回っていた。その姿は、まるで“ぬいぐるみがうっかり動き出してしまった”かのように見えて、私は思わず笑ってしまった。
彼の名前は「ソラ」。
サモエドとハスキーのミックスで、まだ生後3ヶ月にもかかわらず、普通の子犬の倍以上の体格。けれど、その大きさに反して心は限りなく繊細で、優しくて、少し臆病で、何よりも好奇心のかたまりだった。
ソラが家にやってきたその日から、我が家の日常はまるでコメディドラマのように賑やかになった。最初の夜、ベッドの足元に設けた彼のベッドには目もくれず、そっと私の枕元に頭を乗せて寝息を立てたあの温もりは、今でも忘れられない。
巨大な体でありながら、動きは子鹿のようにドタバタしていて、よく自分の足につまずいたり、ソファに登って降りられなくなったり。冷蔵庫の前に座ってジーっと見つめていると思えば、実は扉の中のチーズにロックオンしていたり…。その一つ一つが、なんとも言えない“面白さ”と“愛らしさ”に満ちていて、見るたびに思わず笑顔がこぼれた。
ある朝、庭に出たソラは、自分より小さな蝶を追いかけて走り回っていた。その姿はまるで、童話のワンシーンのようだった。ジャンプしても届かない蝶に夢中になり、最後は尻もちをついて見上げるその目が、「なんで捕まえられないの?」と語っているようで、私は思わず駆け寄って抱きしめてしまった。
ただ、大きな体は時に“いたずらの威力”を倍増させる。お気に入りだったソファのクッションは何度も中身が飛び出し、玄関マットは毎日別の部屋に移動する。けれど、そのたびにソラは耳をペタリと倒し、申し訳なさそうな顔でそばに寄ってくる。その姿に「怒る理由が見つからないな」と心がほどけてしまうのだ。
近所の子どもたちからは“くまさん犬”と呼ばれ、散歩中は誰からも声をかけられる人気者。けれど、ソラはそんなことより、私と目が合う瞬間のほうがずっと嬉しそうだった。
彼が来てから、私は気づいた。
“愛らしさ”というのは、見た目の可愛さだけではなくて、心の動きや表情の一つひとつに宿るのだと。
そして“面白さ”というのは、完璧な行動ではなく、むしろちょっと抜けていたり、不器用だったりすることの中にこそ、深い魅力があるのだと。
ソラは、今日もリビングのラグの上でお腹を見せてゴロンと寝転がっている。巨大な体をクルリと丸めて、夢の中でも走っているかのように足をピクピクさせながら。
私はその寝顔を眺めながら、そっと微笑む。
——この子は、ただの犬じゃない。
我が家に舞い降りた、面白くて愛らしい、かけがえのない幸せそのものなのだ。
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