ミニチュア・ダックスフントとブラック・ノーズ・シープが初めて出会う、笑える瞬間
「ミニチュア・ダックスフントとブラック・ノーズ・シープが出会った日——牧場の片隅で起きた、忘れられない一瞬」
春の午後、空はまるで洗いたてのシャツのようにすっきりと晴れていました。草の香りが風に乗ってふわりと鼻をくすぐる。そんな日、田舎町の小さな牧場で、一生に一度あるかないかの「笑える出会い」が生まれました。
登場人物は、たったのふたり。——いえ、正確には、一匹と一頭です。
小さな脚でチョコチョコと走り回るのは、ミニチュア・ダックスフントの「コロン」。おてんばで、どこでも鼻を突っ込まずにはいられない好奇心のかたまり。ふわふわの長い耳をぴょこんと揺らしながら、今日も牧場を探索中です。
そして、もう一方の主役は——スイス原産の、あのふしぎな外見で知られる「ブラック・ノーズ・シープ」。名前は「モモ」。大きくてもこもこした身体に、まんまるの顔。その顔の中心には、黒いハートのような鼻と大きな黒い目。そしてくるくるの毛。まるで、ぬいぐるみの中から本当に出てきたみたいな見た目です。
その出会いは、ちょっとした「間違い」から始まりました。
コロンは、新しく干された干し草の山の向こうに“何か白くて大きなもの”が動いているのを見つけました。尻尾をぶんぶん振りながら、「おっと、新入りか?」とでも言いたげに猛ダッシュ。鼻をふくらませて、警戒心ゼロで突撃します。
一方のモモは、初めて見る小さな茶色い生き物が猛スピードで自分に向かってくるのを目にし、「これは夢かしら?」と首をかしげながら動かずに待っていました。
コロンがモモの足元にたどり着いた瞬間、その鼻をぴたっとモモの毛の中に突っ込みました。
「もふっ。」
という、何とも言えない音とともに、コロンは一瞬フリーズ。
「…ん?なにこの…やわらかいの?くさいの?…あったかいの??」
その混乱の顔がもうおかしくて、見ていた牧場主のミキさんは声を上げて笑いました。
そして次の瞬間、モモが「めぇぇ〜」と、ちょっとだけ驚いたような声を出し、コロンは後ろにぴょんっと跳ねて転がり、しっぽを追いかけながらくるくる回り始めました。まるで、「これは何だ!?モフモフモンスター!?でもちょっと好きかも!?」という思考がそのまま動きに出ているよう。
そこからがまた、笑える展開です。
モモはコロンをくるくると目で追い、コロンはモモの足元をチョロチョロと走り回る。まるでじゃれ合う兄弟のように、一匹と一頭は牧場の真ん中で追いかけっこを始めました。コロンが吠えれば、モモは頭をふりふり。モモがぴょんと跳ねれば、コロンも真似して前足を浮かせる。
言葉は通じなくても、通じ合う心というものがあるのだと、見ていた誰もが思いました。
やがて夕暮れ。太陽がやさしく山の向こうに沈むころ、モモはコロンの隣に静かに座り、ふたりは仲良く草の香りに包まれながら空を見上げていました。
牧場の一日は、今日もゆっくりと終わっていきます。でもこの日の出来事は、コロンとモモにとって、そして見ていたミキさんにとっても、ずっと心に残る「はじめての笑える出会い」として、静かに刻まれたのでした。
Nhận xét
Đăng nhận xét