135ポンドのマスティフが小さな子猫に夢中になる
ある日曜日の午後、風がそよそよと庭の芝を撫でる中、1頭の巨大な犬が静かに日向ぼっこをしていました。その名は「マックス」。重さはなんと135ポンド(約61キロ)、堂々たる体格のマスティフで、近所の人からは「熊みたいな犬」と呼ばれるほど。でも、その見た目とは裏腹に、マックスの心はガラス細工のように繊細で、驚くほど優しいのです。
マックスは、吠えることよりも、甘えることが得意なタイプ。大好きなのは家族の膝の上に顔を乗せて、ゆっくりとまどろむこと。そう、まるで自分が子犬だと信じているように。
そんなマックスの静かな日常を、ある日突然やってきた「ちいさな存在」が大きく変えてしまいました。
ある雨の夜。
家族が帰宅途中、道路脇でか細く鳴く声を聞きました。
車を停めて辺りを見渡すと、ずぶ濡れの子猫が震えて座っていたのです。
体は片手に収まるほどの小ささ。目はまだ青く、誰かを求めて見上げているようでした。
「この子、うちに連れて帰ろう」
そうしてやってきたのが、小さな小さな子猫の「ルナ」。
名前の由来は、雨の夜空にぼんやり浮かんでいた月(Luna)から。
ルナを家に連れて帰ると、家族の次なる心配はもちろん――マックスの反応でした。
何しろ、マックスの足ひとつでルナを踏んでしまうのでは?と不安になるほどの体格差。
最初の対面は、ソファの隅にタオルにくるまれたルナと、その様子を遠くから見つめるマックス。
いつものおっとり顔が、そのときばかりはピクリとも動かず、目だけがルナに釘付け。
数分後、マックスはゆっくりと近づき、そっと鼻先をタオルに寄せて、ルナの匂いを確かめました。
そして、ほんの一瞬、彼のしっぽがゆっくりと左右に揺れたのです。
その動きは、「この子は大丈夫。ぼくが守るよ」と言っているようでした。
それからというもの、マックスはルナの“パパ”になりました。
ルナがミルクを飲み終わると、その口元を自分の舌でやさしくぬぐい、
お昼寝の時間にはそっと隣に横たわって、ルナが毛布代わりにマックスの前足の中にくるまれるのです。
驚くことに、マックスはルナが鳴くたびに家族の誰かを呼びにいくようになり、
夜になると、ルナが安心して眠れるように、彼女のベッドのそばでじっと見守るようになりました。
動物の世界でも、“愛”というものがあるのかもしれません。
少なくとも、マックスとルナの間には、確かな絆が育まれているようでした。
不思議なことに、ルナはマックスがいるとまるで母猫に抱かれているように安心しきっていて、
時々、マックスの耳をおもちゃのようにかじったり、鼻の上に乗って寝てしまったりしても、
マックスはまるで何も感じないかのように、されるがまま。
その姿は、まるで大きなクマと小さな月の妖精が一緒に暮らしているような、
ちょっと信じがたい、でも確かにそこにある優しい物語でした。
今でも、家族はふとした瞬間に、マックスとルナを見ては微笑みます。
「信じられないね、こんなに違う二人が、こんなにも仲良くなるなんて」
体の大きさなんて関係ない。
心が通い合えば、どんな生き物同士でも、こんなにも美しい関係が築ける。
マックスとルナが教えてくれたのは、まさにそんなことだったのかもしれません。
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