「ワン!」vs「ピーピー!」──ハスキー犬と鳥のちょっとおかしな言い争い
ある日曜日の朝、いつもより少しだけ早く目が覚めた私の耳に飛び込んできたのは、妙な騒がしさだった。
「ワン!」
「ピーピー!」
「ワワン!」
「ピィーー!」
最初は外から聞こえる鳥の声だと思ったが、よくよく耳を澄ますと、それは我が家の居間から発せられているではないか。
慌ててスリッパを履き、階段を降りていくと、そこに広がっていたのは予想外の光景だった。
ハスキーとインコの口論現場
犯人は、我が家の自由奔放なシベリアン・ハスキー「フブキ」と、ちょっとおしゃべりなセキセイインコ「ピピ」。
二匹(?)は、リビングの中央でまるで漫才でも始めるかのように、互いに声を張り上げていたのだ。
「ワンッ!」と吠えるフブキ。
それにかぶせるように「ワンッ、ワンッ!」とモノマネするピピ。
フブキは明らかにムッとしながら、「それ、僕の鳴き方なんだけど!」とでも言いたげな顔。
そしてまた「ウォォン!」と吠える。
すると、今度はピピが「ウウォォ~ン」と、変なビブラート付きで返してくるではないか。
本気の怒りか、それとも遊び?
一見するとけんかしているようにも見えるこのふたり。
でもその目はどこかキラキラしていて、どちらかというと「遊んでる」ようにしか見えない。
特にフブキのしっぽがブンブンと左右に揺れているところを見ると、これは完全に楽しんでいる証拠だ。
ピピもまた、ゲージの中からわざと大きな声を出してフブキの注意を引き、得意げに「バカワン!」なんて言葉まで発していた。(…誰が教えたんだ、それ)
この奇妙な友情のはじまり
実は、フブキとピピが一緒に暮らし始めたのは、ほんの数ヶ月前のこと。
最初はお互いに警戒して、フブキは近づこうとせず、ピピはじっと様子を見るだけだった。
でもある日、フブキが寝そべってうたた寝をしていたとき、ピピがそっと近づいて「オハヨ」とつぶやいた。
その瞬間、フブキが目を開けて優しく尻尾をふったのを見て、私は「この子たちは絶対に仲良くなれる」と確信した。
それからというもの、ふたりはまるで兄弟のように毎日言い争いを続けている。
しかしその中には、信頼と親しみ、そして“家族”という絆が確かに存在している。
見ているこちらまで笑顔に
人間社会では「意見の食い違い」はしばしば衝突を生むけれど、フブキとピピのように、言い合いながらもお互いの存在を楽しむ姿には学ぶことが多い。
彼らのやり取りを見ていると、「違ってもいい」「言葉にならなくても通じ合える」そんなことを実感させてくれる。
朝の「ワンピーピー交響曲」は、もはや我が家の日常になり、なくてはならない目覚まし時計となった。
今日もまた…
今朝もふたりの口論が始まった。
フブキが「ワン!」と鳴くと、ピピが即座に「バウバウ!」と返す。
そのたびに私たち家族は、笑いをこらえながら朝食のパンを頬張る。
そして私はふと思う。
この家には言葉を越えた面白さがあふれている、と。
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