ああ、3年って長いですね | オールド・イングリッシュ・シープドッグ
ある午後、カレンダーの片隅に丸がつけられている日付を見て、ふと私は時の流れに思いを馳せました。3年——たった3年とも、長い3年とも言えるその時間の重さは、人によって異なるかもしれません。でも、私にとってはとてつもなく大きな意味を持つ3年だったのです。
それは、オールド・イングリッシュ・シープドッグの「バーニー」と過ごした年月のこと。
バーニーと出会ったのは、まだ冬が本格的にやってくる前のこと。空気はひんやりしていたけれど、どこか希望に満ちた午後で、公園のベンチに座っていた私の足元に、ふわふわの大きな毛玉がころころと転がってきたのです。
真ん丸な体に、目が隠れてしまうほどの長い前髪。まるで絵本の中から抜け出してきたようなその子は、じっと私を見上げて、ゆっくりとしっぽをふりました。それが、すべての始まりでした。
バーニーはオールド・イングリッシュ・シープドッグの中でも、特におっとりとした性格で、でも芯のある優しさを持っていました。大きな体で甘えるくせに、家の中ではそっと静かに寄り添ってくれる、まるで毛の生えた哲学者のような存在。彼といると、言葉がいらないのです。ただ、心がふわりとほどけていくような、あたたかな時間が流れていました。
3年。朝起きて、彼の寝息を聞くたびに始まり、夜眠る前にはその毛並みに顔をうずめて「今日もありがとう」とつぶやく日々。そのルーティンの中に、どれだけの喜びと癒しが詰まっていたことでしょう。
でも、3年という月日は、永遠には続かないのだと、教えられたのもまた彼からでした。
バーニーはある日、急に歩くスピードがゆっくりになり、あんなに軽やかだった足取りも、重たく見えるようになりました。獣医さんの診断は「老化」。オールド・イングリッシュ・シープドッグは大型犬ゆえ、老いが急にやってくることもあるのだと。
それでも、バーニーは変わらず私の隣にいました。散歩が短くなっても、階段を抱っこで上り下りするようになっても、彼のまなざしは昔と同じでした。「一緒にいれば、それでいいんだよ」と語りかけてくるようで、私はそのまなざしに何度も涙をこぼしました。
ある日、私が少し落ち込んでいたときのこと。バーニーはゆっくりと私の元に来て、前足を私のひざに乗せて、じっと見つめました。その瞬間、胸の奥がふっと温かくなり、「ああ、この子と過ごした3年は、私の宝物だったんだ」と心の底から思ったのです。
3年。それは、私が自分自身を見つめ直し、愛を知り、そして「別れ」と「感謝」の意味を学んだ時間でもありました。バーニーは今、星空のどこかで穏やかに眠っているかもしれません。でも、彼の存在はずっと私の中に生き続けています。
そして今、誰かがオールド・イングリッシュ・シープドッグと出会おうとしているなら、私はこう伝えたいのです。
「3年って、思っているよりもずっと深くて、大切な時間になりますよ。あなたの世界が変わるかもしれません。」
そう、あの優しくて賢くて、毛むくじゃらの親友のように。
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