犬のトリマーの悪夢の日々の喜び

午前7時。カーテンの隙間から差し込む光が、まだ夢の世界にいた私のまぶたを優しくこじ開ける頃、枕元のスマホが一度震える。「今日は何頭だったかな…」目覚ましより先に鳴ったその通知に、小さくため息。そして、心の中で一言つぶやくのです。

「さあ、悪夢と喜びのミックスジュースみたいな一日が、また始まる。」

私は犬のトリマー。トリマー歴、かれこれ8年目。毛玉の中に手を突っ込みながら、時に吠えられ、時に甘えられ、時には…おしっこをかけられる日々。でも不思議なことに、それでも私はこの仕事がやめられません。なぜかって?それは、きっと“喜び”が“悪夢”のすぐ隣に座っているから。

朝一番のお客様は、ふわふわのポメラニアン、名前は「もこ」。名前の通り、雲のような毛に覆われた小さな天使。……と、見せかけておいて、実は誰よりも爪切りが嫌いで、はさみを見ると全力で身をよじる。小さな体から発される抵抗のエネルギーに、こちらの腕はもう筋肉痛。それでも、飼い主さんが迎えに来た瞬間、もこが見せる「やったよ、キレイになったでしょ?」という得意げな笑顔を見ると、さっきの格闘なんてどうでもよくなるんです。

次にやって来るのは、ゴールデンレトリバーの「ソラ」。彼は違います。まるでスパに来たかのような表情で、ブラッシング中は目を閉じ、ドライヤーにはうっとり。でも、1つだけ問題がある。シャンプーの前に必ずテンションが上がってしまい、サロンの床を水たまりのようによだれで濡らすのです。スタッフ全員が「また来たな…」と笑いながらモップを手に取る瞬間、それすらも愛しくなるから不思議です。

日によっては、まるで動物園かと錯覚するほど多様な子たちがやってきます。震えるように怖がる小型犬。無抵抗すぎて寝てしまう大型犬。鏡に映る自分に吠え続ける柴犬。サロン中に笑い声が響くのは、そんな瞬間ばかり。

「悪夢」と呼ぶには優しすぎる。「喜び」と呼ぶには過酷すぎる。それが、トリマーという仕事の真ん中にある日常です。毛まみれになったエプロン、カット中の静かな集中、そして、帰り際に飼い主さんからいただく「ありがとう、こんなに可愛くなって…」のひとこと。その全部が、私の心を満たしてくれる。

もちろん、逃げ出したくなる日もあります。予約がぎっしり詰まったスケジュール、やんちゃな子に引っかかれた腕、せっかく整えた毛並みを一瞬でぐちゃぐちゃにされる瞬間。でも、そんな日も、夜にふとスマホのアルバムを開いてみると、今日カットした子たちの写真が並んでいて、つい口元がほころんでしまうのです。

「また明日もがんばろう。」

悪夢のような日々の中には、たしかに笑いと涙、そして何より“命”の温もりがつまっています。犬たちは、ただの「お客様」じゃない。彼らは、私にとって小さな先生であり、癒しの存在であり、ときに人生を豊かにしてくれる相棒なのです。

だから、私は明日もまたハサミを握ります。

毛玉の中に隠れている「愛しさ」を、ひとつひとつ、ていねいにほどきながら。

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